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彼の恋人

[433]  高橋晶子  2007-12-24投稿
大盛況の内に終わったショーに、孝政は一人どんよりした。男子生徒がオバサンに扮してヲタ芸をするのだから、引く筈だ。
クラス出展のコスプレ喫茶で博文達5人は一息つく。
「彩子のクラスは男子の数が多いから『ザ・ヲバ芸ショー』が実現できたのね」
「元ネタの深夜番組を見てた人が多かったからね。女子は敢えて裏方に回って、彩子が仕切ってきたんだって」
臨と千聖の会話に裕介が割って入る。
「佳純さんも見に行けばいいのに、来られないのは残念だよな」
博文は携帯メールを作成しながら3人の会話に聞き入っている。
「裕介もそう思うか。佳純さんも結構好きで見てたんだよなぁ、あの番組。おっ、メール送れた」
裕介が博文の携帯の画面を必死に覗き込む。
「どれどれ……? おい! モーリーのどんより顔を佳純さん宛てに送ってたのかよ!」
すかさず博文の携帯を取り上げ、千聖と臨に先程の画像を見せる。千聖が軽蔑の眼差しで博文に言い放つ。
「モーリーが何も口にしてないとこを撮って送ってたの!?」
「博文君、やめてよ! それより、この後、吹奏楽部の演奏でしょ? 關君と黒崎さんの最後の表舞台だから、見に行こうよ!」
孝政はそれまでの暗い表情が嘘の様に、焼きそばと烏龍茶を一気に口に飲み込む。

会場の体育館は、生徒や市民に占領されている。立ち見客が出る程だ。仕方なく最後尾で観賞する事にした。
場内アナウンスに合わせて吹奏楽部のメンバーがステージ上に現れる。關と祥恵の姿を確認でした。最後に現れた顧問の先生が指揮をとり、準備を整える。
1曲目から大迫力だ。観客は一言も言わず演奏に見入っている。
あっという間の10分間だった。2曲演奏しただけだったが、もう少し長く演奏していた気がした。これだけ観客を惹き付ける演奏を目の当たりにして、「何時かは私も……」という思いを胸に秘めて青海に入学する生徒がいるのも納得だ。
3年生の多くはこれで漸く受験勉強に専念できる。厳しい練習に費やした分、受験に注げると、一同ほっとしている。
だが、本当に専念できるのは修学館の文化祭が終わってからである。

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