MARIA〜人魚の恋〜(3)
友達がいない…
マリアはそれでも良いと思っていた。
『わたしにはシュリーがいれば良いの!』
それが口癖のようになっていたのだった。
二人は海上に顔を出すと周りを見渡す。
人間に見つからないように。
人間――
この世で一番恐ろしく、汚い生物…。
マリア達は小さな頃からそう教え込まれていた。
本当は海上に出るも危険がある為、禁止されているのだが…
興味本意に一度出てしまうと、探険しているようでやめられないのだった。
マリアが大きな伸びをすると、見慣れないあるモノが視界の端に飛び込んで来た。
「シュリー、見て!あれ…」
マリアの指差す先をシュリーが目で追う。
「あんなとこにお城なんかあったっけ?」
それは他のどの建物よりも大きく聳え立っていた。
「マリアのお城より大きいかな?」
シュリーが冗談っぽく言うと、
「そんな訳ないじゃない」
と、マリアは本気だった。
シュリーは歌う。
隣の彼女の機嫌をとる為。
やがてマリアも岩に腰を掛けるとシュリーの声を覆い被せるようにして歌いだした。
彼女の歌声は、まるで天使が唄っているかのように透き通っていて、一度聴いた者は心を魅了される程のモノだった。
マリアはそれでも良いと思っていた。
『わたしにはシュリーがいれば良いの!』
それが口癖のようになっていたのだった。
二人は海上に顔を出すと周りを見渡す。
人間に見つからないように。
人間――
この世で一番恐ろしく、汚い生物…。
マリア達は小さな頃からそう教え込まれていた。
本当は海上に出るも危険がある為、禁止されているのだが…
興味本意に一度出てしまうと、探険しているようでやめられないのだった。
マリアが大きな伸びをすると、見慣れないあるモノが視界の端に飛び込んで来た。
「シュリー、見て!あれ…」
マリアの指差す先をシュリーが目で追う。
「あんなとこにお城なんかあったっけ?」
それは他のどの建物よりも大きく聳え立っていた。
「マリアのお城より大きいかな?」
シュリーが冗談っぽく言うと、
「そんな訳ないじゃない」
と、マリアは本気だった。
シュリーは歌う。
隣の彼女の機嫌をとる為。
やがてマリアも岩に腰を掛けるとシュリーの声を覆い被せるようにして歌いだした。
彼女の歌声は、まるで天使が唄っているかのように透き通っていて、一度聴いた者は心を魅了される程のモノだった。
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