MARIA〜人魚の恋〜(5)
「私はサイファ。サイファ・アストーンです」
彼の碧い瞳がこちらを見ている。
マリアは彼の言葉に反し、何も言わず海に潜った。
「あ、君っ…!!」
サイファの呼び掛けが空虚に響く。
しばらく立ち尽くしていたが、彼女がもう一度、姿を現わす事はなかった。
「待ってよ、マリア!」
マリアの後ろを必死でついて泳ぐシュリーは、彼女の異変に気付いていた。
魚の群れの間を掻き分けて行く彼女の横顔は赤い。
初めて感じる胸の高鳴りにマリア自身戸惑っていた。
「サイファ…」
突然立ち止まると、ぽつりと呟く。
綺麗な碧い瞳に、スラリとした長身。
何て美しいのでしょう…?
もはやシュリーの言葉など彼女に届く筈もなく、ふらりと自分の城の中へと入って行くマリア。
サイファ…サイファ…。
彼女の頭の中は彼の事でイッパイになっていた。
一方、サファイア宮殿ではサイファと王様である父親が向き合っていた。
「サイファ…」
「はい、父上」
「今日、こうやってワシの部屋に呼び出したのは他でもない」
「はい…?」
少し首を傾げる息子に王は続けた。
「実はお前に見合いの話が来ておるのだ…」
彼の碧い瞳がこちらを見ている。
マリアは彼の言葉に反し、何も言わず海に潜った。
「あ、君っ…!!」
サイファの呼び掛けが空虚に響く。
しばらく立ち尽くしていたが、彼女がもう一度、姿を現わす事はなかった。
「待ってよ、マリア!」
マリアの後ろを必死でついて泳ぐシュリーは、彼女の異変に気付いていた。
魚の群れの間を掻き分けて行く彼女の横顔は赤い。
初めて感じる胸の高鳴りにマリア自身戸惑っていた。
「サイファ…」
突然立ち止まると、ぽつりと呟く。
綺麗な碧い瞳に、スラリとした長身。
何て美しいのでしょう…?
もはやシュリーの言葉など彼女に届く筈もなく、ふらりと自分の城の中へと入って行くマリア。
サイファ…サイファ…。
彼女の頭の中は彼の事でイッパイになっていた。
一方、サファイア宮殿ではサイファと王様である父親が向き合っていた。
「サイファ…」
「はい、父上」
「今日、こうやってワシの部屋に呼び出したのは他でもない」
「はい…?」
少し首を傾げる息子に王は続けた。
「実はお前に見合いの話が来ておるのだ…」
感想
感想はありません。