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初恋?-2

[213]  エリ  2007-12-25投稿
行き先も何も考えずにただ歩いた。
気が付くと図書室の前にきていた。
中にはいると誰もいなくて静まり返っていた。
ミカに言われた言葉が頭の中で響いている。
忘れかけていた罪悪感がこみあげてくる。
涙がこぼれた。
あの時にコウヘイとカナコ先輩の前で流した涙と同じ涙。
そのまま午後の授業はさぼってしまった。
ミカの顔が見れなかった。
泣いて腫れた目を見られたくなかった。
サチコからメールが何件も届いたけど返信する気になれなかった。
気が付くともう夕方。
校庭からは部活が始まる声が聞こえる。
ミカに会わないことを願って教室にもどった。
近くまできて扉から中をのぞくと誰もいない。
ほっとした。
教室に入って荷物をまとめる。
「あれ?加藤さん!」
気まずい声が聞こえた。
ダイキだ。
「なんで、午後いなかったの?サチコが探してたよ」
ダイキはそう言いながら、近づいてきた。
「あ〜保健室!お腹痛くなっちゃって、寝てたの!」
ダイキの目を見ないようにうつむきながら答える。
「そっかぁ〜。泣くほどお腹痛かったんだな。目、腫れてるよ。」
バレた。
ダイキには嘘が付けない。
ついても見透かされてしまう。
ダイキの目が苦手だ。
「それに、俺、保健室でさぼってたけど、加藤さんいなかったし。」
悪戯っ子みたいな笑顔を向けられ、降参。
「図書室で寝てたの!」
降参だけど泣いてたなんて恥ずかしくて言えないから、少しだけ嘘をついた。
「ふーん、そっか。」
それ以上ダイキは何も言わなかった。
全部わかってて、あえて聞かないでくれたのかな。
「ダイキは帰らないの?」
「ミカ待ち。今日からマネージャーやるって部活行ったから帰り遅くなるだろ?夜にミカ一人で帰るの危ないじゃん。」
ダイキはミカを本当に大切にしてるんだなって思った。
「優しいじゃん!」
「俺、紳士だから。」
「あはは!」
ダイキは嬉しそうに冗談を言って笑っていた。
でも、ミカの気持ちを聞いてしまったので、すごく残酷な気がしてしまった。
だからといって言えるわけない。
ミカは今バスケ部の先輩に恋してるなんて、絶対に言えない。
ミカを待ってるダイキの顔が、すごく幸せそうだったから。

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