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ドビーの散歩道4

[336]  える  2007-12-25投稿
にゃおーん、と鳴き始めると、戸があいた。
昨日のおばはん。
「もー、やだなぁ〜雄じゃない。」
おばはんは、俺の尻のあたりをみながら、呟く。
失敬な。日本男児猫にむかって。これでもなかなかの男前なんだぜ。
おばはんの後ろには、昨日のきじねこがじっとこっちをみてる。にゃおーん、アピールする為に鳴いてみた。するときじねこは、背を丸め、フーッと毛を逆立てた。
怒った姿も美しい。猫たるもの、そうでなくっちゃ。そこへ、この家の娘と思われる中学生が皿にキャットフードをいれて俺の横においた。おばはんは娘の頭を突いていたが、腹が減っていた俺はその娘を拝みたいくらいに感謝し、ガツガツとたべはじめた。
戸は閉められてしまったが、満腹になった事だし、今日は良しとしよう。
午後になり、その家の玄関脇で日光を浴びながら、昼寝をしていると、おばはんが出かけていった。すると娘が出てきて、俺をみるなり、にやっと笑うと、俺を抱き抱え、家の中に入った。俺は思いがけず、あのきじねこの家に入る事ができたのである。

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