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家族模型〜訳あり〜

[637]  菅野悠  2005-10-20投稿
「着いたぞ。」
2人の目の前に、3階立ての茶色い寂れたビルが立っている。

「もう、こんな時間だ。
早いとこ店戻んねーと。」
マイトは、そう言うと、ビルの地下へと続く階段を足早に下りて行った。
その後を雅も続いた。

ーガチャ

マイトは、ライブハウスの入り口の扉を開け、顎で雅に中に入る様促した。

………。

促されるまま、恐る恐る中へ入ると、そこは、煙草の煙で辺りは、真っ白にぼやけていた。
雅は、あまりの煙たさに、手で口を覆いながら、辺りを見渡した。

入ってすぐの右側には、小さなカウンターがあり、いくつもの酒が並んでいる。左側には、黒い薄汚れた皮のソファとこの店には、どう見ても不釣り合いな、白い脚の先のクルリと、丸まった中世の西洋の城にありそうなテーブルがあった。

部屋の奧には、麻雀の卓台が5台あり、仲間達が牌を切っている。
とてもスナックとは言えない店内だ。

「今、帰ったぞ!」
マイトは、そんな雅をしりめに煙草を吹かしながら、鞄を床に置き、カウンターの椅子に腰を下ろした。

「おせーんだよ!馬鹿野郎がっ。お前アイスどうしたんだよ?」
奧の方から、声がして、女が、マイトと雅の方へ向かって来た。
「ちゃんと買ってきたよ。ほら!」
マイトは、女に向かってコンビニの袋を差し出した。
女は、袋を受け取り中を確認すると、雅を下から上を舐める様に睨み付けると、チッと舌を鳴らし鼻で笑った。
「あ゛〜ぁ?」雅も負けじと噛み付いてゆき、掴み合いとなった。
慌てて、マイトと他の仲間が止めに入る。
「また拾って来たのかよ!今週だけでも、もう3人目だぞ。」
女は、そう言うとソファに座り込んだ。

「雅は、俺の意志で連れてきた。
俺の行動に文句があるつー野郎は、出てって貰ったって構わない。」
マイトは、女の胸ぐらを掴み一喝した。
女は、あまりの声の大きさに驚き黙りこんだ。
「まぁ〜、その位にしておけよ。」
奧から深くキャスケットを被った肌の白い背の低い男が、フフフと不気味な笑みを浮かべながら、歩いてくると、マイトを宥めた。
「俺の名前は、仁。
マイトとは、舎弟と兄貴の関係だ。此処には、マイトと俺を含み世間から、はみ出た不良品しか居ない。
まぁ、コイツが、連れてきたって事は、訳ありだろ。
ゆっくり気が済む迄居たらいいさ。
さぁ、詳しい話は、明日の朝だ。今日は、もう皆休もう。」


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