キャッチボール
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僕の名前は杉谷悟。17歳。県立高校の野球部だ。今年は僕達三年生にとって最後の年。チームメイトは気合いに満ちていた。突然だが僕は生れつき右手の肘から下がない。そのためできるポジションはピッチャーしかない。そう、左で取って左で投げるのである。もちろんだがバッティングなんてできやしない。試合に出ても最高でも2イニングで交替である。しかし監督は常々こう言う。「杉谷、運命を変えろ。」と、僕は未だにその言葉の意味が理解できない。運命は定められたものじゃないのか。右手がないのも僕のせいじゃない。運命のせいだ。そんな感情を抱くことが多かった。僕の通う高校は県でも最低ベスト8には残る強豪校だ。こんな僕がベンチになんて入れるわけがない。そう思いながらここまで続けてきた。夏の大会まであと一ヵ月。
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僕の名前は杉谷悟。17歳。県立高校の野球部だ。今年は僕達三年生にとって最後の年。チームメイトは気合いに満ちていた。突然だが僕は生れつき右手の肘から下がない。そのためできるポジションはピッチャーしかない。そう、左で取って左で投げるのである。もちろんだがバッティングなんてできやしない。試合に出ても最高でも2イニングで交替である。しかし監督は常々こう言う。「杉谷、運命を変えろ。」と、僕は未だにその言葉の意味が理解できない。運命は定められたものじゃないのか。右手がないのも僕のせいじゃない。運命のせいだ。そんな感情を抱くことが多かった。僕の通う高校は県でも最低ベスト8には残る強豪校だ。こんな僕がベンチになんて入れるわけがない。そう思いながらここまで続けてきた。夏の大会まであと一ヵ月。
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