MARIA〜人魚の恋〜(6)
「お前も直に二十歳になる。そろそろ、良いのではないかと思うておるのだが…?」
「はぁ…」
正直、サイファは余り乗る気ではなかった…が、
「一度会ってみなさい」
と言う、父親の言葉に頷くしかなかった。
夜、お見合いを一週間後に控えたサイファは窓の外をぼんやりと眺めていた。
海が見え、今日出会った彼女の事を思い出す。
岩の影に隠れていた為に余り顔は見えなかったのだが、彼女の天使のような歌声が今も聞こえて来そうなくらい鮮明に耳に残っている。
それと同時に名前を聞けなかった事を残念に思った。
何て歌だったんだろう…。
〜♪…
こんな感じだろうかと少し口ずさんでみる。
そんなサイファの碧い瞳に月の光が優しく差し込んだ―。
数日後…
「おはよ♪マリア!」
元気良くマリアの前に飛び出すシュリー。
マリアは寝起きでもないのにぼんやりしたまま「おはよ」と返事をした。
目を丸くして瞬きを何度も繰り返すシュリー。
最近のマリアはずっとこうだ。
何を言っても上の空と言った感じ。
そう、あのサイファとか言う人間と出会ってから…。
「シュリー、わたしちょっと出かけて来るね」
「はぁ…」
正直、サイファは余り乗る気ではなかった…が、
「一度会ってみなさい」
と言う、父親の言葉に頷くしかなかった。
夜、お見合いを一週間後に控えたサイファは窓の外をぼんやりと眺めていた。
海が見え、今日出会った彼女の事を思い出す。
岩の影に隠れていた為に余り顔は見えなかったのだが、彼女の天使のような歌声が今も聞こえて来そうなくらい鮮明に耳に残っている。
それと同時に名前を聞けなかった事を残念に思った。
何て歌だったんだろう…。
〜♪…
こんな感じだろうかと少し口ずさんでみる。
そんなサイファの碧い瞳に月の光が優しく差し込んだ―。
数日後…
「おはよ♪マリア!」
元気良くマリアの前に飛び出すシュリー。
マリアは寝起きでもないのにぼんやりしたまま「おはよ」と返事をした。
目を丸くして瞬きを何度も繰り返すシュリー。
最近のマリアはずっとこうだ。
何を言っても上の空と言った感じ。
そう、あのサイファとか言う人間と出会ってから…。
「シュリー、わたしちょっと出かけて来るね」
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