MARIA〜人魚の恋〜(10)
「私に気になっている相手がいて…」
サイファの言葉にマリアの体がピクッと動く。
「嘘ですわ!お義父様もお義母様もサイファ様にその様な方はいらっしゃらないとおっしゃってました…!ユラに…ワタクシに何か不満がお有りなのでしょう…?」
自分に不満があるならば直せば良い。
けれど、他に想い人がいてはどうにもならないと思ったからだ。
涙ぐんでサイファの肩を持つユラ姫。
「いいえ、貴女に不満などは一切ありません」
キッパリと言い切るサイファ。
それに対抗してか、ユラ姫は言った。
「なら、その方をワタクシの前に連れていらして下さい!でないとワタクシ…納得出来ませんっ…!」
後半泣き声混じりのユラ姫はそのまま彼の胸にしがみ付いた。
その様子を伺っていたマリアはいても立ってもいられなくなり、二人に気付かれないようにその場から姿を消した。
胸が苦しい…。
何故こんなに胸が痛むのか。
「好きなんだね」
何処からか知っている声が聞こえて辺りを見渡すと、思った通り後方にたたずんでいるシュリーの姿を見つけた。
「マリア…、彼は人間だよ?あたし達とは違う。もう、あそこへ行くのは止めた方が良い…」
サイファの言葉にマリアの体がピクッと動く。
「嘘ですわ!お義父様もお義母様もサイファ様にその様な方はいらっしゃらないとおっしゃってました…!ユラに…ワタクシに何か不満がお有りなのでしょう…?」
自分に不満があるならば直せば良い。
けれど、他に想い人がいてはどうにもならないと思ったからだ。
涙ぐんでサイファの肩を持つユラ姫。
「いいえ、貴女に不満などは一切ありません」
キッパリと言い切るサイファ。
それに対抗してか、ユラ姫は言った。
「なら、その方をワタクシの前に連れていらして下さい!でないとワタクシ…納得出来ませんっ…!」
後半泣き声混じりのユラ姫はそのまま彼の胸にしがみ付いた。
その様子を伺っていたマリアはいても立ってもいられなくなり、二人に気付かれないようにその場から姿を消した。
胸が苦しい…。
何故こんなに胸が痛むのか。
「好きなんだね」
何処からか知っている声が聞こえて辺りを見渡すと、思った通り後方にたたずんでいるシュリーの姿を見つけた。
「マリア…、彼は人間だよ?あたし達とは違う。もう、あそこへ行くのは止めた方が良い…」
感想
感想はありません。