携帯小説!(PC版)

[232]  朝比奈さゆり  2007-12-31投稿
海と山に囲まれた、広島県のとある田舎。瀬戸内海の穏やかな気候。潮の香りが漂う小さな下町。時がゆっくりと流れ、行き交う人も顔馴染みである。ここで私は生まれた。

小さい頃の記憶を辿る。母と手を繋ぎ、お風呂屋さんの帰り道。石垣の道を下る。小さな洗面器に入れた石鹸が、カタカタとリズムよく踊っている。古いアパートには、誰が飼っていたのか、猫が何匹も出迎えてくれた。私はこの温かな母の手と猫が大好きだった。

私には姉がいる。4歳上のしっかり者である。姉はこの辺りの小学校に通っていた。友達も多く、活発で気の強い女の子。3歳の私よりも言葉巧みで、完璧な広島弁である。姉は泣き虫で引っ込み思案な私の面倒をよく見てくれた。いつも新しい知恵や知識を提供してくれる情報源である。好奇心旺盛な私は、姉に付いて行くのが楽しみであった。
父は造船所で働いていた。鉄を加工するため、朝から晩まで金属音に曝され、やや難聴である。私は、父の固くゴワゴワした職人の手や大きな背中、タバコの匂いを気に入っていた。

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