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ティシュと商人の街?

[336]  朝顔  2007-12-31投稿

洒落た丸いテーブルを囲み座った四人。ぶすくれた顔のティシュとスコットの顔は赤く腫れている。
事情をヴェルダから聞き、ウェイターの青年はずっとスコットを睨んでいた。
「いい加減にしろ、スコット。盗んだ物を早く出すんだ」
ティシュと顔を合わせないよう横向きに座っていたスコット。両手を頭の後ろで組み違う方向を見ている。全く反省のない態度に青年は溜息をついた。
「本当に申し訳ない。お金はきちんと払うから」
「兄さんは悪くねぇよ。こいつが悪いんだ」
兄はブランディ、弟はスコット。両親を早くに亡くし二人だけで生活してきたという。
見た感じではとても盛況しているとは思えない店だった。今はスコットの悪事が発覚し店を閉めてしまったが、入って来た時には客は一人もいなかった。
「弟の責任は俺の責任だ。財布にはいくら入っていたんだい?」
「えっと……10E……」
「10Eと2000G」
考えるティシュを遮りスコットは言った。
10Eは大人が半年働くぐらいの金額だった。ティシュぐらいの子供にとっては大金だ。

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