携帯小説!(PC版)

トップページ >> その他 >> 家族風景

家族風景

[378]  紫幸 燈子  2008-01-01投稿
私の人生(と、言っても…まだ20代前半)を語ると…10人中9人が…
「嘘でしょ?」

と言う…。


私には…両親がいない。母親は、私とお兄ちゃんが…まだ赤ちゃんの頃…父方の祖父母の家(今、私が住んで居る家)に…

捨てて行った。

だから…私は、母親の顔を知らない。別に“知りたい”とも思わない。

捨てて行く時に、祖父母に言った…母の言葉が忘れられない…。祖父母が言ってる事だから…事実かどうか…解らないが…。母は…祖父母にこう言ったらしい…

「此処で、育ててくれないのなら…シセツにぶん投げて行きます!」

10代の私には…少し…酷だった。

その頃、父親は…

横浜で単身赴任中。
息子娘が、捨てられた事等…知るよしも無かった。
しかも、この父ときたら…自分の子供が、捨てられたと知らされても…家に仕送りさえして来ないダメ父で(苦笑)娘の私でさえ…びっくりだ。

そんな父親も…私が、小学4年の時に…病気で亡くなった。
身体を壊して…こっちに戻って来た父の姿は…弱々しく…正直、驚いた。段々弱っていく父を、見るのが辛くて…次第に避けてしまう私…。今、思うと…馬鹿だなぁ…と思う。本当に、馬鹿。
父は、私とお兄ちゃんの前では、元気に振る舞うが…本当は、辛かったらしい。気付いてあげれなくて…ごめんなさい。

最期に抱き締めてくれて、ありがとう…。

父は、生前…私にこう言っていた。
「燈子、大人になっても、俺の事を“パパ”と呼びなさい。」

…照れちゃって…友人の前では、言えないけど…心の中では“パパ”って…ちゃんと…呼んでるよ。
もう一つ、衝撃を受けたのは…
父の葬儀の時。

親族の席に見知らぬ男性が二人…座って居た。祖母に「だぁれ?」と訊くと…なんと、“腹違いのお兄さん達”だと聞かされた…。小4の私には…かなりの衝撃。何だか…気まずい…。あっちも、ついさっき知らされたみたい。今は、音信不通…。腹違いの兄妹なんて…こんなモン…かな。

嘘みたいだけど…本当の話。

だけどね、今は…それなりに倖せ。祖父母を大切にしようと思います。“パパ”の分までね。…こんな、漫画みたいな家族風景も…アリかなって…前向きに明るく…ね。

感想

  • 8272: 智遼です。こんなに辛い思いをされてきて、自分はまだ親父もいるし、幸せなのかなと改めて感じさせられました。こんな状況でも頑張っている紫幸さんのことを知れて、自分も頑張っていこうと改めて感じます。しかも自分もまだ21歳なので同世代の頑張りにはすごく勇気づけられます。ありがとうございました。 [2011-01-16]
  • 8283: 感想、ありがとうございました。智遼さんとは…1つしか年が違うんですね。智遼さんの方が上かと思ってました(笑)まだまだ、貴方は若いんですから…お互い、かな?頑張りましょうね。by紫幸 [2011-01-16]
  • 8291: ひとつ上なんですね、これからの人生のが長いんだからいいことありますよ。なんか元気出てきました!ありがとうございました。智遼 [2011-01-16]
  • 8297: こちらこそ。ありがとうございました。本当に出逢えて良かったです。by紫幸 [2011-01-16]

「 紫幸 燈子 」の携帯小説

その他の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス