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一人の距離?

[124]  みぃ  2008-01-01投稿
「誕生日、おめでとぅ!ユリィ!」


スパパーン!
と軽快なクラッカーの音と共に、水木理緒(みずきりお)のかん高い声が私を向かえた。


結局一睡もできず、気分転換に部活をしようとクラブハウスのドアを開けた直後の出来事だ。

茫然とドアの前に立ち続ける私にお構い無く、理緒は壊れたクラリネットみたいに喋り続ける。


「エリィ、今日誕生日やろー?
ほら、前に彼氏はおらん的なこと、ゆーとったやん。
せやから、ここで待っとったら会えるんちゃうかーって思ってなぁ」



彼氏。



…ずしん、と来た。
今はその話題を口にできるほど、彼氏というモノを消化できてなかった。

少し曖昧な笑みがこぼれたのが分かった。
防衛反応としてのはにかんだ笑い。
傷付きたくがないためのうすっぺらな防衛。



相変わらず理緒は痛いところを突いてくる。そこがいいとこであり、歓迎されない部分でもあり。



「なんやーもうチョケた顔せーへんと、…ほら、ケーキあるで。
食べて元気だしぃや。」


…前言撤回。コイツいいヤツ。


「たべるたべる〜」


別にケーキが好きというわけではないけど、それを話題の中心に持ってこようとした理緒の力に脱帽した。
理緒の洞察力にはホント、いつも助けられている。


箱を開けた途端、ショートケーキの白と赤のコントラストだけが飛込んできたのは、ちょっとビックリしたけど、それでも理緒の気遣いが嬉しかった。



彼氏と同じように、生クリームは甘すぎて消化しきれないだろうけど。

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