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キャッチボール

[379]  さすらいの小説家  2006-04-07投稿
僕の中学野球成績は県大会に出場し一回戦敗退だった。結局僕の出番は無かった。しかし僕は高校でも野球をやると誓っていた。僕の野球に対する想いは次第に熱くなっていった。
中学校の卒業式を迎えた。生徒会女子副会長を務めた玲花は新生徒会長の送辞に対して答辞を述べた。卒業生一同の集団に埋もれて僕はその答辞をぼんやりと聞いていた。玲花はおそらく自分で作っただろう立派な文章を非常に堂々と読み上げ会場は感動の坩堝と化した。玲花もうっすらと涙を浮かべていたことを僕は記憶している。
卒業式も無事に終わり僕は今の高校に入った。当時僕は玲花は当然私立の強豪に入ると思っていた、ところが高校の入学式、「悟、私も同じクラスだからよろしくね。」と玲花が突然声をかけてきた。咄嗟に僕は「あれ?お前私立に行ったんじゃ?」と言った。「誰からの情報?私は私立に興味はないの。ところで、悟はもちろん野球部だよね?よろしくね。」

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