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キャッチボール

[302]  さすらいの小説家  2006-04-07投稿
「ねぇ、悟、携帯持ってる?」
「持ってるけど。」
「番号とメアド教えてくれない。」
「いいけどお前、好きな人いるんじゃないのか。」
「いいの。」
そういえば玲花から聞いてきたんだ。僕はメールを打ち始めた。
『大会まで一月きって、も頑張ってきたけどやっぱベンチ入りは無理じゃないかなと思うんだよ。だからなんか気持ちが萎えちゃって。』
懸命に左手でボタンを押し、送信した。
そして五分後にメールが返ってきた。
『悟はリリーフで結構試合にでてるじゃない。で、宮館くんの次に球が速いじゃん。それに悟が投げた回は点取られたことないよね。自信持っていけば大丈夫よ。』
玲花からの励ましの言葉に僕は奮起した。(そっか、ここまできたんだからやるしかねぇよな。)
『ありがと!おかげで目が醒めたぜ。最高のリリーフピッチャーになってやるよ。』
すぐにメールが返ってきた。
『そうだよ、悟はそれでなくちゃ!!』
気が付くと時計はもう0時を回っていた。僕は最後に『おぅ頑張るぜ。おやすみ。』と返信した。するとすぐに『おやすみ☆』と来た。その夜は星がとても綺麗だった。今夜はカーテンを開けて寝ようと思った。そして静かな夜が過ぎていった。

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