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星の蒼さは 3

[631]  金太郎  2008-01-03投稿
「ハァ、ハァ、怒るぞ」

少女が怒鳴る

「いい!?聞いて!」
「…何?」

先程から凄い剣幕だ。余りに真剣な顔にハルはたじろいた。

「新年…2050年元旦、0時…とにかく都心から…東京タワーから」
『1、0〜!!!』

遥か遠くでも聞こえる怒声。新年があけた。

「!!」

ハルは見た。遥かそびえる東京タワーが紅の光に包まれ、直後、紅い力が空間を支配し、圧倒的な破壊がもたらされるのを。
目の前のビルが崩れ炎上し、人は舞い上がり、地面に落ちる前に炭化する。有機物・無機物関係なく焼き尽くされ、溶けた。
ハルは茫然と立ちすくしていた。
あの東京のネオンすら掻き消す熱量。
目の前のビルも例外なく、その破壊の対象になる。
ゆっくりと倒れかかってくるコンクリートの塊。
ストンと腰が抜け、足が浮いた。このまま自分も消える。潰れる。

「ダメー−!!」

少女に痛烈なタックルを脇腹に食らい、2人はドサッと倒れこんだ。その上からコンクリートの雨が降り、土煙があがった。

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