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宝物3

[197]  ラク  2008-01-05投稿
「こ、これは…」
俺は一瞬目を疑った。目をこすってからもう一度見たが、その写真の中身は同じだった。
そのとき、階段を上がってくる音が聞こえた。
「おまたせ!」
部屋のドアを開けながら綾の元気な声が部屋中に響いた。
俺は綾の顔をじっと見た。「何?」
「い、いや…」
俺は言葉が出なかった。
「でも久しぶりだね。一年ぶりくらいだっけ。優くん変わってないね」
「あぁ…」
「でももうお互い大学生だもんね、早いなぁ。ところで優くんは今大学で何してるの?」
「いや、特に何もしてないんだよな」
「そう。私はサークル入ったんだ。そしたら、そのサークルで彼氏が出来たの!」
衝撃的だった。とは言っても冷静に考えたらもう大学生だもんな。彼氏くらい出来てても無理ないか。しかも綾、結構可愛いしな。当然なことだ。
「そうか、よかったな…」
「優くんは彼女とかいるの?」
「いや、俺はいないよ…」
「そっか。ゴメンネ、嫌なこと聞いちゃって」
その一言に俺は綾の優しさを感じた。やっぱ綾って昔からいいやつだな。
そんな感じで二人の会話は進んでいった。
「もうそろそろ帰らないとな」
「じゃあ、また来てね!」
綾の家を出た。色々話したけど、結局あの写真のことは聞けなかった。

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