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星の蒼さは 5

[656]  金太郎  2008-01-05投稿
月は
「我々は地球の一部であり、資源の共有をする権利がある」
対し、地球の言い分は
「月は行政特区であり、地球はその援助をするに過ぎない」
お互いに譲らず数ヶ月の時が、やや月が有利な状況で続いた。
その折り、ジョン・F・ケネディの孫の孫娘で超タカ派で知られた月政府外務大臣レイチュル・ケネディがエネルギーの問題について国連と決着を付けるためにニューヨークを訪れた。
交渉成立か、決裂か。地球でもエネルギーを共有すべきという声が高まっているため、交渉成立が有力視されていた。
全世界が注目する中、2049年11月22日、レイチュル・ケネディを乗せた車が支持者による壮大なパレードの中を走る。
彼女の車が国連本部の門に入ろうとした時だった。
歓声すら掻き消すような大きな銃声と共に手を振る彼女の美しい肢体がオープンカーの中に崩れ落ちた。
悲鳴と怒号が入り交じり、国連本部前は上よ下よの大騒ぎになった。
直後、犯人としてテレビの前に突き出されたのは麻薬中毒、50歳の浮浪者だった。
奇しくもジョン・F・ケネディと同じ日に「あの一件」は起きた。

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