*たんぽぽの咲く場所3*
アイツと一度話してしまえば
そこからは早かった。
アイツの周りの連中も
アイツも
アタシも
基本的には適当なのだ。
その時したいことを
したいと思ったやつらが
同じことをする。
気分が乗れば合わせるし
乗らなければ合わせない。
小腹が空けば
それを満たしに飲みに行く。
眠たければ
帰って寝る。
アタシは車だから
お酒は飲めないけど
素面でも
飲み屋ではしゃぐ連中の中にもいるのは
嫌じゃなかった。
寝る時間を削って稼いだバイト代は
飲み代に消えるようになった。
嫌じゃなかった。
むしろ
そうしたかった。
それ程居心地が良かった。
そのうち
アイツがアタシとも飲みたいと言い出した。
でも
アイツは実家でアタシは泊まれない。
『俺が一人暮らしだったら良かったのにね。』
アイツは幾度となくそう言った。
そして
少し考えた後
アイツはまた口を開いた。
『俺がチナツの家に行くよ!いいだろ!?』
目をきらきらさせて
アイツはそう言った。
『いいよ。いつにする?』
アタシは別に構わなかった。
元々男友達の方が多かったし
家に男が来るなんて日常茶飯事。
女が来ることの方が珍しいくらいだ。
それから
アイツが頻繁にウチに来るようになった。
周りには内緒で。
誰からの呼び出しも出ることもなく。
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