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キャッチボール

[315]  さすらいの小説家  2006-04-07投稿
二時間目が終わった。騒つく教室の中で教科書を整理しながら玲花が話し掛けてきた。
「何考えてボーッとしてたのよ。」
「回想だよ、回想。」
「また格好いい事言っちゃって、本当はろくでもないこと考えたんでしょ。」
「まさか、そんなことがあるわけないだろ。」
まさか玲花との喧嘩を思い出してたなんて言えなかった。
「ところで、マドンナはなんであの曲流してたんだって?」
「えっと、今の彼氏が付き合って二年になるらしいのよね。それでその彼氏の大好きな歌が『DISTANCE』っていうわけ。何かと二人の記念日にはこの曲が流れているらしいの。」
「ふーん、凝ってるんだな。ところで、次の授業何?」
「体育。」
「マジ?もっと早く言ってくれよ。」
「君、時間割りぐらい覚えておきなよ。」
「はい。」
僕は運動着を持って更衣室へ向かった。
「今日の体育は?」
僕は着替えをしていた男子皆に話し掛けた。
「今日はバドミントンじゃなかったっけ。」
近くにいた里村が答えた。「バドミントンか。なら俺も本気出せるな。」
「お前強いから手加減しろよ。」
同級生の香山が僕に言った。
「なーに、優しくやってやるよ。」
僕らは体育館に向かった。すでにネットが張ってあってシャトルやラケットも置いてあった。
「早速始めようぜ。」
まだ始業チャイムがなる前なのに僕らはバドミントンを始めようとした。

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