携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> めがね王子

めがね王子

[96]  えみねこ  2008-01-06投稿
私には最近好きな人が出来た。
彼は身長が180近くある、小顔で目がくりっとした男の子。
クロブチのお洒落な眼鏡をかけて髪は少し茶色。優しい笑顔でこう言う。
「いらっしゃいませ。」
そう。彼と言っても知り合いでも何でもない。近所のファミレスで働く店員[山口充]さん。名前だってきいたわけではなく、名札を見て知ることが出来た。
大学生かな?どうであれ見た目からして彼は確実に私よりも若い。
私は27歳で仕事は事務。何と無く続けた仕事も寿退社を願いながら続けている。
内気な私は話しかける勇気なんてない。
「こんにちは、いいお天気ですね」
なんて白々しくて言いたくない。かといって「好きです」
なんて絶対言えない。今日もただ
「ペペロンチーノお願いします」
とオーダーするだけ。
「かしこまりました。少々お待ちください」といつもと同じ返事が返ってくる。
彼は足早に戻っていく。
「せつない…」
この気持ちは切なすぎる。もう少し若ければ積極的に声だってかけられるのかしら。それとも性格?そんな事を考えていると
「瑞希ぃーまた彼の事考えてるんでしょお」と少ししゃがれた声が私を現実に戻す。
「綾…」
綾はいつもファミレスに付き合ってくれる職場の同僚だ。
「ごめん。付き合わせてるのに」
「いいわよー。あたしここのパスタ大好きだから」と微笑む。綾みたいに華やかだったらなあ…
「お待たせ致しました。ペペロンチーノのお客様」
彼が私を呼ぶ。我ながら乙女だと思うけど、この瞬間がすごく幸せなのだ。
「はい」
彼の少し高い声で[お客様]じゃなくて[瑞希]と呼んで貰いたいなんて27歳が願う事じゃないかしら…。
「ごゆっくりどうぞ」彼の白くすらりと伸びた腕に見とれる私を見て綾が
「乙女だね…」
と呟く。
こんなに切ない片想いは高校以来だ。それから何人かと付き合ったし、結婚の話も出たけど、今が一番恋をしている気がする。
「22くらいかな…若そうだよね」と綾が彼を見つめる。

感想

感想はありません。

「 えみねこ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス