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好きな人 -3-

[206]  MCO  2008-01-08投稿
想いを伝えよう。

今までの後悔した日々を取り戻すために…



朝のホーム。

人込みの中からすぐに彼を見つけた。

そのことに自分でも驚きながらも、こんなにも好きなんだと分かる。



挨拶を交わし、いつものように話をしていた。
けれども、落ち着かない。

『どうした?』

新吾が顔を覗き込んでくる。


少しの沈黙後、思い切って口にする。

『昨日の紹介の話。ごめんそれはできない。だって…』

その先が出てこない。
また黙り込んでしまった。


そんなあたしに新吾は、
『わかった…
あのさ、昨日のこと、実は…実はさ、美希と付き合いたくて、でも照れくさくてあんなこと言ったんだ。
ちゃんと言う。俺と付き合わない?』


突然のことに頭の中が真っ白になった。

新吾もあたしと同じだったなんて。

あふれてくる涙で顔がにじんでいく。
返事の変わりに泣きながら彼に抱き付いた。

ギュッと抱き締めながら、耳元で

『好きだ』

そう言われて、また涙があふれてきた。

『あたしも好き』

新吾の腕の中で、今までの想いを伝えるように何度も何度も繰り返した。

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