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ゆにの思いつき

[309]  ゆに  2008-01-08投稿
−夢をみた。家族と団欒している自分。
それから、もう夜もおそいから寝ると言いながら部屋に戻る。−ふと思う。この前こんな夢をみたな、と。これも夢だと気付く。部屋のドアノブを握ったままこの前みた夢を思い出す。 −部屋の窓を閉めようとカーテンをめくると知らない男がそこにいて、驚いて目覚めたんだった。
            同じ夢ならそうなるけど…思い切ってドアを開けた。−同じ夢だ。カーテンが少しだけ揺れてる。驚く事はもうないと、知らない男には怒鳴りつけてやれと思い窓際に近付いてカーテンをめくる。そこには誰もいなかった。同じじゃない−。              窓を閉めて振り返ると、そこに男がいた。素早く身体を押さえ付けられて身動きがとれない。恐怖感に襲われて声もでない。
−夢なんだから早く起きろと願う自分。
男がゆっくり手をかざした。何かカッターのようなものを手に持っている。−早く、早く起きろ!
と願っても目覚めることなく、男の手が振り下ろされた。だけど、刺さったような感じはなく、痛みもない。恐る恐る身体をみると刺さっていた。男はそれを引き抜くと何度も何度も自分の身体に刺していく。出血はないが、肉片のようなものが飛び散る。身体が−腹の辺りが−だんだん暗い穴が開いた様になっていく。薄暗がりの中その穴は一層暗く宇宙にあるブラックホールみたいだと思った。男の顔を見ても誰だかさっぱり分からない。友達でもなく、よく行くコンビニの店員でもない。勿論、家族、親戚でもない。
夢だから痛みはないが自分の状況が恐くて仕方ない。
だけど、みていることしかできなかった。暗い穴を。 ひたすら見ていると星のような明かりを見つけた。自分の腹に星?と思っていると、男がその明かりに気付いてそこばかり刺していく。
−明かりがどんどん眩しくなって目が開けていられない−−。
            あまりに眩しくなって目を開けると、カーテンの隙間から朝日が顔に射していた。
−やけに疲れた夢だった。

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