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訪問者〜アラシノ、ヨルニ〜

[383]  穂川ふうま  2008-01-09投稿
−その時、僕は家に居て、嵐が吹き荒れる外の世界には眼を向けなかった−


神奈川県 藤沢市

僕は、新しい部屋に大満足だった。広いし、なにより家具が全て揃っている。
でも、僕が以前、住んでいた町とは、全く違う。夜中になっても星が見えない程明るい。
前に住んでいた町は横須賀市。穏やかな田舎と賑やかな都市が入り交じる町だった。田舎と言っても、畑や水田があるようなド田舎じゃない。凄く居心地が居心地良かった。
だけど、僕はそんな町を離れなければいけなくなった。
それは、

神奈川県 横須賀市

僕は両親から仕送りをしてもらいながら、小さなアパートで一人暮らしをしていた。
ある日、僕の部屋に訪問者が来た。バイト先でも住所を教えない僕には相当、珍しいことだ。
「はい」
僕はなるべく良い印象を持って貰う為に、ニコッと笑った。
ドアの向こうには、知らない人が居た。
僕には、茶髪をオールバックにした悪党にしか見えなかったけど、男は可愛いとしか言いようがない笑顔を見せた。
「こんにちは!」
驚く程綺麗な声で挨拶をした。
「あの、どちら様…」
「あ。言い忘れました。俺、樋本 衣茶良ってゆー人」
「は?」
凄く珍しい名前だと思った。
「イ…サラ?」
僕が返すと、男は照れ笑いしながら、
「ごめんね。本名なんだ…ヘンでしょ?」
「いえ、素敵だと思いますよ」
僕の何処からこんな言葉が出て来るのか。素敵。
「はぃ?素敵ですと?」
樋本は首を傾げる。
僕は、真面目に言った。
「珍しい故の素敵、という魅力です」
ちょっと待て、僕。樋本の用件は、何?
「そのまえに、用件は何ですか?」
僕が聞くと、樋本はまたかわいらしく笑った。
「居候さして下さいな!家賃は払えるからっ」
樋本がお辞儀をして、頼み込んできた。
風の強い、曇りの日だった。

−あの時、僕は何故あいつの居候を許可してしまったのか。僕の不幸は、ここから始まった−

→ To Be Continued

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