奈央と出会えたから。<36>
クラスメイト全員からシカトされ続けたあたしー。
一学期も終わりに近付いた頃には、それが暗黙の了解になっていたー。
それでも休まず、学校だけは通っていたあたしー。
それは母さんに心配を掛けたくなかったからー。
ユカもあたし以外に親しい友人が沢山出来た様で、あたしがユカの視界に入る事は二度とないと思っていたー。
そんなある日の放課後ー。
忘れ物を取りに教室へ戻ったあたしが耳にしたのは、ユカとサチヨの会話だったー。
『だからユカ、それは奈央の仕業だよ。』
サチヨが言った。
『やっぱ奈央しかいないよね?!
あのコの家って母子家庭じゃん?!
十分ありえるよね?!』
サチヨの言葉に続けて、ユカが追い討ちを掛ける様に続けるー。
話の流れからして事の察しは付いた。
何でも、ユカの財布が無くなったと言うのだー。
『財布盗ったのあたしじゃないよ。』
あたしは思わずこう言った。
クラスメイト全員からシカトされていたので、二人にとってあたしの声はただの雑音と見なされただろうー。
『ちょっと聞いてる?!ユカ?!
財布盗ったのあたしじゃない。』
あたしは少し声を荒げて言った。
『うるさいなぁ‥。なんか近くで野良犬の遠吠えがするんだけど‥。』
ユカが言った。
『だから、財布を盗ったのあたしじゃないから。』
視線を合わせようとしないユカに、あたしは腹が立った。
『育ちが悪いと嫌よね〜。人様の物を盗むなんて立派な犯罪よね。』
ユカがこう続ける。
あたしは自分の体が小刻みに震えているのが分かったー。
一学期も終わりに近付いた頃には、それが暗黙の了解になっていたー。
それでも休まず、学校だけは通っていたあたしー。
それは母さんに心配を掛けたくなかったからー。
ユカもあたし以外に親しい友人が沢山出来た様で、あたしがユカの視界に入る事は二度とないと思っていたー。
そんなある日の放課後ー。
忘れ物を取りに教室へ戻ったあたしが耳にしたのは、ユカとサチヨの会話だったー。
『だからユカ、それは奈央の仕業だよ。』
サチヨが言った。
『やっぱ奈央しかいないよね?!
あのコの家って母子家庭じゃん?!
十分ありえるよね?!』
サチヨの言葉に続けて、ユカが追い討ちを掛ける様に続けるー。
話の流れからして事の察しは付いた。
何でも、ユカの財布が無くなったと言うのだー。
『財布盗ったのあたしじゃないよ。』
あたしは思わずこう言った。
クラスメイト全員からシカトされていたので、二人にとってあたしの声はただの雑音と見なされただろうー。
『ちょっと聞いてる?!ユカ?!
財布盗ったのあたしじゃない。』
あたしは少し声を荒げて言った。
『うるさいなぁ‥。なんか近くで野良犬の遠吠えがするんだけど‥。』
ユカが言った。
『だから、財布を盗ったのあたしじゃないから。』
視線を合わせようとしないユカに、あたしは腹が立った。
『育ちが悪いと嫌よね〜。人様の物を盗むなんて立派な犯罪よね。』
ユカがこう続ける。
あたしは自分の体が小刻みに震えているのが分かったー。
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