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KISARAの恋[10]

[106]  KISARA  2008-01-11投稿
桜木に事の真相を聞きたかったが、バイトの上がりまで時間がなく、自主残業はできないなぁと貴更は品出しに専念して、桜木とは話すことはなかった。一通り終えると、時間は18時を少し回っていた。

「じゃぁ、帰るわ。お先。」と桜木に言って、事務所に向かった。結局、写真の件はOKどころか何も解決することなく終わってしまった。

事務所では既に奈緒が待っていた。帰り支度をして、二人で店を後にして駐車場へ向かった。

店から5分程度のところに車通勤者のために会社が駐車場を借りてくれている。まだまだ寒い2月半ばの冷たい風を浴びながら、二人で向かった。貴更は何を話していいかも分からず、また奈緒も何も話すことなく駐車場に着いた。

「どーぞ、散らかってるけど。」と貴更は助手席に置いてあった雑誌を後部座席に片付けて奈緒に助手席に乗るように促した。

「ごめんね、ありがとう。」と奈緒は助手席に乗り込んだ。土足厳禁でもなければ、禁煙でもない愛車の中で、窓を少し開けて貴更はタバコに火を付けた。

「あ、この車、いい匂いするね。」

「あ、あぁ、タバコ吸うからな、芳香剤山盛りやねん。」

「確かに山盛りやね。」

「疲れたな…。」

「うん、でも、店長が休みだから、気楽だったけどね。」

「アイツ、細かいし、社員と同じ扱いやし、時給上げろってな…。でもなー…」

「でも何?」

「いや、いつまでもバイトって訳にもなぁ。」

「男の人は大変よね、桜木くんも社員にしてくれないかなーって言ってたし。」

「アイツは要領がええからな、無きにしも非ずやな。俺はないなー…」

「そんなことないと思うよ、ポップ書かせたら、優木くんが一番やし。」

「あー、あんな才能があるってのは気が付けへんかったわ。でもなぁ、生理用品のポップまで書くとはな。はは…。」

「分からへんよねー。使う訳じゃないし。」

「でもまぁ、品出ししてても平気にはなるわなー。客の方が引いてるやろな。」

貴更はタバコを消して車を走らせた。

「えーっと、西町の3丁目やったやんな?」

「うん、駅前の信号を右に入って、動物病院の斜め向かい辺りなんだけど。」

「あー、了解。」

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