携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 卑怯な沈黙

卑怯な沈黙

[164]  ふく  2008-01-11投稿
もう会うのはやめよう
私の言葉に少し動揺を見せる
私よりも大人のあなたは直ぐに平静を装う
コーヒーを飲みながら目を背けた
何も言ってくれない
静か過ぎる空気
ただ店に静かに流れるBGMてあなたがカップを置く音しか聞こえない
それ以上私も口を開く事はなかった
卑怯な沈黙

何も言わずに席を立つあなたに私も吊られて席を立つ
いつも会っていた喫茶店
もう二人では来る事もない
後ろめたさと寂しさで心が締め付けられる
いつも別れていた交差点
これで最後
それぞれの道を歩いてもまた会えた
でも今日お互いの背を向けて別々に歩けば振り返る事さえ許されない
あなたには帰る場所も待っている人もいるのに私は一人になる

大好きだった
汚れても良かった
だけど誰かに自信を持ってあなたの存在を明かす事など出来なかった
あなたもそうだったはず
誰にも言えずにそれでも幸せそうに笑ってくれた
愛の言葉に真実が無かったとしても私は毎日が幸せに満ち溢れていた
いつか終わりがある事も終わらせなければならない事も承知の上だった
もう汚れるのは私だけでいい
今この愛を捨てれば誰も傷付けなくて済む

嘘でも良かった
どうせあなたに真実なんて無かったのだから
好きだったよって寂しそうに私を見て欲しかった
あなたが迷いも無く背を向けるから虚しくなる
始めからこうなると分かっていたのに自分が思っていた以上にダメージは大きい
この愛の始まりも終わりも私が決めた事
だから涙を見せてはいけない

苦しくてあなたの最後の言葉を聞きたくて叫んだ
声を枯らしてあなたの名前を叫んだ
なのに聞こえてない振りをして足を止めてくれない
もう十分じゃない
十分傷付いた
未練も残してはいけない
あなたがいつも黙って聞いてくれたもう一度我が儘を言いたくて何度も名前を呼んだ
もう少し一緒に居て
何度も言った我が儘がまた出そうになって息が詰まる

さよならを選んだのにあなたの冷たさに悔しさを感じる
もしかしたらこれが私に未練を残さないあなたの優しさだったのかもしれない

振り返る事も無いあなたの姿を見つめて無償に悲しくなって少しずつ憎しみに変わる
あなたの冷たい態度に救われた
最後の優しさだと分かってもその優しさを裏切ってはいけない
あなたの幸せを壊すくらいなら私が傷付けばいい
忘れよう

感想

感想はありません。

「 ふく 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス