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奈央と出会えたから。<40>

[844]  麻呂  2008-01-11投稿
* * * * * *

ガラッ―ー‐。

教室のドアが開き、担任の渋川が血相を変えて入って来たー。

『木下 奈央。ちょっと職員室へ来なさい。』

そう言った渋川の横には、ユカがほくそ笑んで立っていた。
『はい。』

あたしは素直に職員室へ向かったー。

何故、職員室へ呼ばれたのかはおおよその見当はついていたー。

* * * * * *

『木下‥。正直に話したまえ。秋田谷から事情は聞いた。
もしお前が心から反省して秋田谷に詫びて、もう二度とこういった真似はしないと約束するのであれば、私はお前の担任としてお前を信じ、今回は私の顔に免じて、秋田谷にはこれで勘弁してもらう。だが、お前がここで正直に自分のした事を認めなければ、
私はお前の母親に連絡を取って、学校に来てもらう。
さぁ、どうする?!木下‥。どちらを選択するのかはお前の自由だ。』


渋川はあたしにこう言いながら、ずり落ちそうな銀縁の眼鏡を指で直した。



あたしは渋川の言葉に腹が立ったー。



それじゃあ、ハナっからあたしが犯人扱いじゃんー。



『あたしはやってません。』



渋川の問いに、あたしはたった一言だけ返してやったー。

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