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宵闇を照らして

[297]  もね  2008-01-12投稿
今日も早い日暮れ
夜の闇が私を包んでゆく

一人の夕飯支度
指に血が滲む
思わず口に含んだ
機械のように生きている
自分の体と思ってた
そこに血が流れ
生きていた
私は食べ物だけで生きてる訳じゃない

思い出す
あの時愛してくれた人がいた

全てが通り過ぎてしまって
何も生み出せない
自分を憎んでた

でも昔
私を愛してくれた
沢山の人の力で
ここにいると
気付いた

老いていく
空っぽの自分
プライドで固めた
脆い自分を憎んでいた

でも昔
私を愛してくれた
沢山の人の力で
ここにいると
気付いた

今はただ独り
機械のように生きている
抜け殻の私に
温かい血が流れている

どうしようもない私を愛してくれた
沢山の人の力で
この温かい血が流れているのだと
この温かい涙を
流しているのだと
なぜ私は
気付かなかったのだろう

新しく踏み出すにはもう遅いかもしれない
それでも
無様な自分を晒して生きようか

希望は未来にしかない訳じゃなかった
過去から掬い取って
今日を生きれる
それは小さな砂金だとしても
暗闇には星空になる

宵闇に包まれた
一人きりの私には


感想

  • 8409: 凄いです!!!こういうの好きです [2011-01-16]

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