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レジェンド‐新世紀伝説 18

[401]  朝倉令  2006-04-11投稿


「劉、森の中では罠と奇襲に気をつけろ。 鉄布杉(てっぷさん)が出来るヤツはお前しかいないんだからな」


 鬼島の忠告をうるさげに聞いた劉源治は、配下の連中に

「行くぞ!」

と一声咆えると先発隊を率いて森の中に分け入っていった。






「奴ら来たネ。 罠思い知るいいヨ」


八極門下で、リンの弟子にあたる李(りー)双生児が闘志をむき出しにして言うのを、晋と剛がたしなめる。


「奴らは甘くないよ」

「多少の足止めにしかならんと思うが… まぁ、油断は禁物だな、チェン」





「日が昇ってきやがったな。 そろそろ先陣が森に差し掛かる頃か …‥」


 神一久らは、谷間の凹地に身を潜め、戦いの始まりを辛抱強く待っている。





「響子と美奈はこれ、使い慣れてるよね?  由紀は子供達についてて」


 イーズが響子たちにボウガンの様な物を手渡す。


 弩(ど)と呼ばれる武器で、引き金を引けば篠竹の矢が飛ぶ仕組みだ。


「ビアンカとあたしが入り口を固めるから、討ち洩らした奴らを手加減抜きにしとめるのよ」


 そう猛々しく言い残し、イーズは表に出た。




「ほーっ、奴ら意外に間抜けだよなぁ」


 森の奥から響いてくる悲鳴と怒号を耳にして、リンが思ったままを口にする。

「猪みたいなのが先陣ってコトは、やっぱり陽動隊だってことさ」


晋の面は逆に引き締められていく。





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