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モテたい願望 カルテ1

[259]  1003  2008-01-15投稿
『あなたの願望、叶えます。』


A4用紙に大きな赤い色の文字でそんな言葉が並ぶ。
用紙の隅には小さく『亜久里事務所』と書かれていた。
その下には住所らしき物も見受けられた。


そんな怪しげな広告の存在を思い出し、古雑誌の間から引っ張り出して、今まさにマジマジと見つめているのには理由があった。



私は、貝沼エリカ。つい先日20歳になったばかりだ。
残念な事に、見た目もスタイルもパッとしない。
お陰で性格までも外見にピッタリのような性格になってしまった。
勿論の事、彼氏は生まれてこのかた出来るはずもなかった。


そんな私も、恋という物をしたくなった。
きっかけは中学校の時のクラス会に参加した時だった。


自慢じゃないが、20年間ずっと自分に卑屈になりながら生きてきた。自分が大勢の中にいたならポジションもわきまえていた。
そんな私だったから、ブスならブスなりに振る舞っていた。
異性には嫌われもしなければ、好かれる事も無く、ただ面白がられていただけだった。
久しぶりで皆が少し大人になってるだろうとはいえ、クラス会なのだからきっと私はまたあのポジションなのだろう。そう思っていた。


私の予想は大方当たっていたが、たった一人だけに関しては外れていた。
同じクラスだったが、全く会話をした事も無かった山口直哉がその人だった。

彼は私にこう言った。
「俺は可愛いと思ってたし、今も可愛いと思ってるよ。」
周りが、からかうのも気にせずにそう言ったのだ。


経験の全く無かった私の心は、簡単にあっけなく彼に惹かれた。

初めて異性に『可愛い』と言われた。
うかれるのも無理無いだろう。
だって私はお世辞にも可愛いとはきっと言えないのだから。




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