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レジェンド‐新世紀伝説 19

[396]  朝倉令  2006-04-11投稿


「テメエら!何もたついてんだ!」


 劉源治が野獣のように咆えた。


 一行はひとたび仕掛けにやられた後、行軍が著しく滞っている。

 バシュッと音がしたと思った時、再び前方から悲鳴があがる。



「劉さん… こいつはいけませんや。  このままだと怪我人が……」


 配下の年かさの男の進言に、青筋を立てていた劉源治はふいに険しさを収め、ニヤリとした。


「判った。 俺が先頭をいく」


 穏やかとすら思える口調で言うと、劉源治は手近に生えている電柱ほどの木を抱え込んだ。


「ぬおおおおおぉっ!」


 劉源治が気合いを込めると、メリメリと音がし始める。

 ハーッ!という凄まじい気合いと共に立ち木を引き抜いた劉源治は、驚きに声もなくした一同を尻目に、陣頭に立って木を棍棒がわりに藪をはらい始める。


 少林七十二芸のひとつ、【玉帯功(ぎょくたいこう)】であった。

 更に【鉄布杉功(てっぷさんこう)】を習得している彼には、刃物のたぐいは通用しない。


 罠をモノともせず突き進む劉源治は、たった一人で道を切り開いていった。






「さ〜て、そろそろコイツに血を吸わせてやらないとさ、ウヒヒヒ…」


 ベロリと長い舌を出し、ナイフの長大な刄を舐める神(じん)の残忍な笑いを目にした田島は、背筋にゾクッとくるものを感じた。



(まともじゃねえな……)





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