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処刑生徒会長第四話・12

[642]  まっかつ  2008-01-17投稿
しばらくの間、凛とした静寂が茶道室を包んだ。

『心―ですか』

梅城ケンヤはぽつりと確認を求め

『そう―心です』

大川アヤノは繰り返した















『あらあら、気付けばこんな時間―梅城会長、今日はここらでお開きとしましょう。後片付けは明日私がやっておきますからお気になさらずに』

内側に障子の張られた窓に顔を向けて大川アヤノはそう言うと、そそくさと立ち上がった

確かにそこから差し込む光は、明らかに夕暮れ色に変じていた

『車をお出ししましょうか?』

痺れる足をどうにか畳に突き立てながら、ケンヤはアヤノにそう申し出た

今の第三中学校に、確かに彼女は無くてはならない重要な存在だった

役に立たない教員なんかよりもずっとだ

犯罪や危険に巻き込ませる分けには行かない

万が一そんな事があったら、最悪梅城政権が吹っ飛んでしまう―\r

仮に尊敬や信頼を除いたとしても、ケンヤが彼女の身を案ずる理由はいくらでもあった

だが―\r

『あらやだ、私の家はここから300Mもありませんわよ』

大川アヤノは再びころころと笑い、ケンヤの申し出を謝絶した

『だからこそ―この学校を択んだのですから』

そして、杖も持たずに彼女は上履きを履き、手慣れた様子でドアを開けて廊下に出た

長年の生活で、この学校内に何があるか、彼女は完璧に知り尽していた

『会長こそお体にお気を付けて―ここであなたの身にもしもの事があったら、イジメや暴力に苦しむ数十万生徒達は希望を失いますからね』

元気付けて大川アヤノは、ケンヤの一礼を受けながら、階段の方へと歩き去って行った

そして、コツコツコツコツとリズム良く階段を降りる音は、やがてケンヤの耳元から遠ざかって行った―\r













廊下に、ケンヤは独り取り残された

だが、もう一つ彼の胸に残された物があった

背後に目を向けろとは―\r

どう言う事だ?

大川アヤノの言葉は一体何を意味するのか、ケンヤには分からなかった



実際には分かるのだ

言葉通り受け取れば―\r

裏切者に気を付けろ、と言う事か?

それも身内の―\r

だが、一体誰が?

俺の背中を撃つと言うのだ?

確かにケンヤの敵は多い

だが、確実に自分に手を挙げるだけの存在は、そう多くはない筈だ―\r

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