モテたい願望 カルテ4
入り口を開けると、まだ昼間だというのに薄暗く、唯一の灯りであった古臭い蛍光灯のジジジという音がやたら大きく聞こえた。
窓すらない。ロビーと呼ぶには余りにも狭すぎる、例えるならただの箱の中にいるようだった。
すぐ目の前には、上へ続く階段と下へ続く階段が人生の選択を迫っているかのように小気味悪く私を呼んでいるように感じた。
その光景に圧倒され少したじろいだが、意を決して下へ続く階段に一歩足を踏みこめてみる。
長い間、人の立ち入りを拒み続ける廃墟のようなヒンヤリとした空気が漂っていた。
薄暗い階段を途中まで下ると、その先にはくすんだ赤い色の扉がヒッソリと見えた。
広告に並んでいた真っ赤な文字を思い出す。
その扉の前に立つと、より一層滑稽に思えた。
『亜久里事務所』と書かれた看板らしき板が、斜めにドアノブにかけられている。
インターフォンも見当たらない。
試しに恐る恐る扉をノックしてみた。
が、何の変化もない。
今度は、先程よりも強く扉をノックしてみた。
それでも、何の変化もない。
首を傾げてから、ドアノブに手をかけた。
その瞬間、ギイィッっと錆びた音をたてながら扉は中から開かれた。
窓すらない。ロビーと呼ぶには余りにも狭すぎる、例えるならただの箱の中にいるようだった。
すぐ目の前には、上へ続く階段と下へ続く階段が人生の選択を迫っているかのように小気味悪く私を呼んでいるように感じた。
その光景に圧倒され少したじろいだが、意を決して下へ続く階段に一歩足を踏みこめてみる。
長い間、人の立ち入りを拒み続ける廃墟のようなヒンヤリとした空気が漂っていた。
薄暗い階段を途中まで下ると、その先にはくすんだ赤い色の扉がヒッソリと見えた。
広告に並んでいた真っ赤な文字を思い出す。
その扉の前に立つと、より一層滑稽に思えた。
『亜久里事務所』と書かれた看板らしき板が、斜めにドアノブにかけられている。
インターフォンも見当たらない。
試しに恐る恐る扉をノックしてみた。
が、何の変化もない。
今度は、先程よりも強く扉をノックしてみた。
それでも、何の変化もない。
首を傾げてから、ドアノブに手をかけた。
その瞬間、ギイィッっと錆びた音をたてながら扉は中から開かれた。
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