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奈央と出会えたから。<49>

[811]  麻呂  2008-01-17投稿
入学以来、いつも学校を休みがちで、
滅多に顔を出さない北岡だったから、
殆ど話した事無かったし、何と言っても怖いと言うイメージがあったからー。



あたしにとって北岡は、ずっと近寄り難い存在だったんだー。



『木下‥。絵上手いんだな‥。』



スケッチブックから目を離す事も無く、北岡が言ったー。



『あは。ありがとう。』



あたしは嬉しかったー。



未だかつて、自分の絵を人に見せた事など無かったし、
見せるつもりも無かったからー。



自分の絵を褒められた事に対して、
素直に嬉しかったんだー。



『これは凄い才能じゃん?!俺なんて絵の才能全く無しだぜ?!』



そう言って、北岡は更にこう続けたー。


『さて木下〜♪ここで問題!!俺の美術の成績は何でしょう?!』



えっっ?!



北岡ってこんなキャラだっけ‥???



あたしはちょっとだけビックリ(?!)
だったー。



『え〜?!分かんないよ‥。5段階評価だから‥‥3?!』


あたしは無難な所でそう答えたつもりー。



『ばっか!!3なら普通じゃんよ。
1だぜ、イチ!!
最低のイチ!!』



北岡はそう言って、あたしのアタマを優しくポンッと叩いたー。



『‥‥イチ‥?!』


フォローの仕様が無く、思わず絶句したあたしー。



『ほら‥。ちょいとペン借りるぜ。
‥このスケッチブックに書くのは悪いから‥。なんか紙無い?!』



そう言った北岡にあたしはペンを貸し、


『あたしのスケッチブックに描いて言いよ。』



と言ったー。



『‥ちょちょいのちょいっと‥‥。
ほ〜い♪
出来ました〜♪
じゃあ〜んっっ!!』



北岡は物凄い勢いでスケッチブックに何かを描いたかと思うと、それをあたしに見せたー。

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