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If the miracle occurs

[263]  梨亜  2008-01-18投稿
登校にはまだまだ早い時間だったっていうのに、すでにクラス発表がはりだされている昇降口前には、人だかりができていた。
人をかきわけ進むも、確認できたのは自分のクラス、出席番号と、担任が舞桜さんであるということだけだった。
とりあえず僕は人だかりを離れ、新しいクラスに行くことにした。
僕のクラスは、二棟にある七組だった。
仲の良い友だちがいるのかさえもわからなかったが、まあなんとかなるだろう。
そう思い僕は、ぼちぼち歩き始めた。

二棟につくと、見覚えのある同級生の顔もちらほらと見受けられた。
その中には、とくに仲の良かった…、というか腐れ縁である根立圭太もいた。
圭太の方も僕に気付いたらしく、ぶんぶんと手を振っている。
「おーっす、類。また一緒のクラスだな」
「うゎ、まじかよ。やっとお前と離れられるんじゃないかと思ったのに。恐るべし腐れ縁」
「失礼なやつだな」
僕がからかったが、冗談であることは長い付き合いからして、すぐわかる。
別に嫌いなわけじゃないし、こう見えて結構いいヤツなので、クラスが一緒だと聞いて素直に嬉しかった。
それから、教室までの道のりで、他愛もない話をした。春休み中のテレビがどうだったとか、どこへ出かけただとか。
しばらく歩くと、『七組』と書かれた板がぶら下がっている教室が見えてきた。
廊下では「よろしく」だとか、自己紹介をしているらしいグループがいくつかあった。
そんなやり取りを見てて、僕はふと思い出した。
圭太と一緒だったってことは、もしかしなくても「アイツ」とも一緒である危険性がある。
教室の前で僕は、ピタッと立ち止まった。
「ん?なんだよ、行かないのか?」
「んー…。いや、お前先行けよ」
「なんでだよ」
圭太は不服な顔をしていたが、どうやら目の前に忍び寄る嫌な予感には気付いていないらしい。
しばらくは両者動かず、の状態だったが、しぶしぶ圭太が譲った。
「ったく、変なヤツ」
こいつは、あくまで気付いていないようだった。
ガラガラガラッ
ドアを開ける音以外に、不吉な音がもう一つ。
ボフッ
圭太の頭上を、白い粉をたっぷり含んだ黒板消しが襲う。一瞬のうちに、圭太の頭は粉だらけになった。
「…初日から手加減なしか。…やっぱり、お前も一緒だったんだな。…美空」

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