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陸の上の魚

[285]  如月 音  2008-01-19投稿
「真ちゃん。どうしたの?ぼけ
っとしちゃって。」

院長はそう言って私の肩をたたく。院長は気さくな人だ。いつも明るく振る舞う。

「・・・先生。何か?」

「そうそう、あなたの貰い手が
ついたわ。」

私は目を見開いた。今まで一度もそんな人、現れなかった。いや、私にその気がなかったのかもしれない。

「誰ですか?」

「とってもいい方よ。お金もち でらっしゃるの。ここ建てた 方でね・・・

その後の院長の言葉はスルスルと抜けていった。私は貰われる、大嫌いな大人、しかも政界につながるお金もちに・・・



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