奈央と出会えたから。<54>
『北岡君。線香花火やっていい?!』
そう言ったあたしの横で、北岡が、
『おう。』
と返事をしたー。
花火の点火用に立てた一本のローソクに二人で同時に線香花火を近づけたー。
ーパチ‥パチパチ‥パチパチパチパチ‥‥ー
勢い良く弾ける二つの線香花火ー。
ーパチパチパチパチ‥‥パチパチ‥パチ‥ー
最初は勢い良く弾けていた花火が、次第にその勢いが弱まって行くー。
『北岡君‥。あたしの、もう終わっちゃうよぉ‥。』
あたしがそう言い終わらない内にー
北岡はとっさにあたしの線香花火に、
自分の線香花火をくっ付けたー。
あたしと北岡の線香花火が合体したー。
『ほら‥。一度消え掛かった花火が‥
また勢いづいてきたぜ?!』
北岡とあたしの線香花火は、勢い良く火花を飛ばしたかと思うとー
遂には燃え尽きたー。
『線香花火ってなんか悲しいな‥。』
ぼそっと北岡が呟いたー。
『うん‥。』
あたしも頷くー。
『木下‥。お前さー。』
『えっ?!』
何かを言い掛けた北岡に、あたしは問い返したー。
『‥強いのなー。』
北岡があたしに言ったこの一言は、
一体どういう意味だったんだろうー。
あたしは決して強くなんかないー。
そう言ってやりたかったけどー。
何故か言えなかったー。
そう言ったあたしの横で、北岡が、
『おう。』
と返事をしたー。
花火の点火用に立てた一本のローソクに二人で同時に線香花火を近づけたー。
ーパチ‥パチパチ‥パチパチパチパチ‥‥ー
勢い良く弾ける二つの線香花火ー。
ーパチパチパチパチ‥‥パチパチ‥パチ‥ー
最初は勢い良く弾けていた花火が、次第にその勢いが弱まって行くー。
『北岡君‥。あたしの、もう終わっちゃうよぉ‥。』
あたしがそう言い終わらない内にー
北岡はとっさにあたしの線香花火に、
自分の線香花火をくっ付けたー。
あたしと北岡の線香花火が合体したー。
『ほら‥。一度消え掛かった花火が‥
また勢いづいてきたぜ?!』
北岡とあたしの線香花火は、勢い良く火花を飛ばしたかと思うとー
遂には燃え尽きたー。
『線香花火ってなんか悲しいな‥。』
ぼそっと北岡が呟いたー。
『うん‥。』
あたしも頷くー。
『木下‥。お前さー。』
『えっ?!』
何かを言い掛けた北岡に、あたしは問い返したー。
『‥強いのなー。』
北岡があたしに言ったこの一言は、
一体どういう意味だったんだろうー。
あたしは決して強くなんかないー。
そう言ってやりたかったけどー。
何故か言えなかったー。
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