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月の葉書2部1―1

[497]  速見  2008-01-21投稿
数日間村で香雲の休養を取ったのちに、三人は次の月の葉書を探しに旅に出た







香雲)そういえば、私も二年余り旅してきた中で一番驚いた事が“緑”を一度も見た事が無い事なんだけど、風紀はどう思った?

香雲は、唐突に風紀に話かけた。確かに、この世界には、“緑”というものがない。世界の大半が砂漠でその中にポッンと町や村・集落があるが、町の中にも“緑”は無い



風紀)あ〜それは、俺も思ったよ。俺らの里が変なのか?

二人が、会話しているとナラビが

ナラビ)ねぇ、風紀兄ちゃん・香雲姉ちゃん、“緑”って何?

ナラビが二人に聞くと

香雲)香雲姉ちゃんって、言い辛いでしょ?普通に“お姉ちゃん”でいいよ

香雲は、ナラビの頭を撫でながら言った

ナラビ)じゃっ………じゃあおっお姉ちゃん

ナラビは、恥ずかしながら言うと

香雲)キャーっ可愛いナラビ君

そう言って香雲はまたナラビに抱き付いた


ナラビ)(いっ息が………

またナラビがバタバタともがいていた

風紀)まぁ、話が脱線したが“緑”って言うのは青々と生い茂っている植物の総称だな。地面の上に生えている植物だ、ナラビ。まぁ、俺らが勝手にそう呼んでいるだけだがな

風紀が説明すると…………

ナラビ)地面の上に生えている植物なんてある訳ないじゃん

ナラビは、カラ?と笑い出した。無理もない。この世界で植物と言えば、地面の下に人工的に作るしかなく、露出している植物を普通の人は、見れないのだから……


風紀)まぁ、いつか俺らの里にくれば分かるはずさ。大昔は、世界中に“緑”があったみたいだがな

風紀は笑いながら言った

そんな感じで会話している時であった。不意にナラビが………

ピクッ!!

ナラビは、次の月の葉書がある方向を向いたのだ

香雲)どうしたの?ナラビ君?

香雲が、聞くと

ナラビ)まだ、だいぶ先だけど月の光の“感じ”が動いている

ナラビは、方向を向きながら言った

風紀・香雲)えっ?

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