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ring2

[115]  REI  2008-01-21投稿
(空気汚い…)
凜子は辟易したが、凜子自身も、さやかも学校をサボっている学生たちの仲間であることには変わりなかった。
「聞いてんのかテメー?」
さやかはわざとらしく凜子をねめつけて、わざとらしく声のトーンをゆがめた。
「聞いてない」
「何だとコラ」
キンパツの不潔な(少なくとも凜子はそう思っている)長い巻き髪をもてあそび、さやかは続けた。
「凜子はさぁ、昌治に対する愛がないよ、愛が!好きなら好きってバンバン言って、ガンガンセックスするもん…」
「さやか。私はね、安くなるからそういうことはしないのよ」
凜子はいて息を吸った瞬間、けたたましく彼女の携帯が鳴った。オレンジレンジ。
どうやらさやかの「愛すべきダーリン」からの呼び出しらしかった。恋は盲目、子供の頃からの友達よりも目先の男。
「話の続きはまたねっ。あんた昌治に電話しなさいよっ」
有頂天で出て行くさやかの背中を見送ってから、凜子はけっ、と呟いた。
(死ねっ、さやかなんて肺ガンで死ねっ!)
勿論、イライラしているのは。


さやかの言葉が図星だったから。


そして、寂しいから。
寂しいから。


凜子はオレンジジュースをまた啜った。

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