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レジェンド‐新世紀伝説 24

[393]  朝倉令  2006-04-14投稿


「じゃ、後はイーズ達にまかせるよ」



 神一久(じんかずひさ)の鼻の下に手をやり、呼吸が止まっているのを確認すると、山際晋は門を身軽に飛び越えていく。



「この … 小娘がぁっ!」


 白虎に配下を二名も打ち倒され、リーダー格の神まで失った田島。


 死体の手からナイフをもぎ取ると両手に構え、段英子(たんいーず)に強烈な殺意を向けた。







 井田耕造は、居合い腰のままうっそりと佇立している。


 仲間の無残な姿を目にした男たちは、井田に棒の先を突き付けたまま、動けずにいた。


「どうした、来ないのか…ならばこちらから行くぞ」


 一瞬、周囲に冷気を漂わせた井田が、歩を運ぼうとした刹那、人垣を分けて姿を現した者がいた。






 イーズの手元から、目まぐるしい速さで剣光がほとばしる。


 攻撃のパターンを次第に読んでいた田島は両手のナイフで剣身をガキッ、と挟んでニヤリとほくそ笑んだ。


「お嬢ちゃん、これまでだな」


「ふん、その言葉そっくり返すわよっ!」



 言うが早いかイーズはあっさりと剣を放し、田島のみぞおちに猛烈な蹴りをみまう。



「ぐえっ、こ、この …」

「ハッ!」



 鋭い掛け声を伴い、前かがみになった田島の顔面を両掌が強打する。



形意十二形拳のうち、虎形の技【虎托(こたく)】であった。


 『猛虎』のあだ名を持つイーズは、常人とはケタ違いの勁力の持ち主である。


 脛骨を粉砕され、田島は動きを止めていった。







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