月あかり
高速バスに揺られながら、浅い眠りに落ちた。
「真琴、ジイチャンが危篤だって」 連絡を受けてすぐに福島行のバスに飛びのった。
仕事は早退して、有休も3日取った。慌てて出て来たから、携帯やら何やら、家に忘れてきてしまった。
上京して8年、実家に帰るのは6年ぶりだ。
「ジイチャン、助かってくれ」
心の中で何回も祈った。
祈るうちに仕事で疲れていたせいか眠りに落ちていた。
小さい頃、両親共働きだったせいもあり、俺はジイチャンっ子だった。
ジイチャンは毎日畑仕事をしていて、ニンジンや大根、トウモロコシなんかを育てていた。
とても穏和な人で、めったに怒る事はなかったが、一度だけ偉く怒られた事があった。ジイチャンの部屋にあった「金の指輪」キレイだったからハメテ遊んでいたら、ジイチャンは顔を真っ赤にして怒鳴った。
後から聞いた話しでは、あの指輪は死んだバアチャンの形見だったらしい。
それっきり俺はジイチャンに怒られた記憶がない。
いつも優しくゴツゴツした手で俺の頭を撫でてくれた。
俺はジイチャンが大好きだった。
中学、高校へ上ると、俺とジイチャンの間に溝が出来た。
会話をする事もなくなり、俺がバイトを始めると生活時間のずれから会う事も少なくなった。
あれから8年、東京で働く俺をジイチャンは毎日心配してくれていたらしいが、俺は電話一本も入れず、6年の間ジイチャンの存在すら忘れかけていた。
・・・・・・
「真琴、ジイチャンが危篤だって」 連絡を受けてすぐに福島行のバスに飛びのった。
仕事は早退して、有休も3日取った。慌てて出て来たから、携帯やら何やら、家に忘れてきてしまった。
上京して8年、実家に帰るのは6年ぶりだ。
「ジイチャン、助かってくれ」
心の中で何回も祈った。
祈るうちに仕事で疲れていたせいか眠りに落ちていた。
小さい頃、両親共働きだったせいもあり、俺はジイチャンっ子だった。
ジイチャンは毎日畑仕事をしていて、ニンジンや大根、トウモロコシなんかを育てていた。
とても穏和な人で、めったに怒る事はなかったが、一度だけ偉く怒られた事があった。ジイチャンの部屋にあった「金の指輪」キレイだったからハメテ遊んでいたら、ジイチャンは顔を真っ赤にして怒鳴った。
後から聞いた話しでは、あの指輪は死んだバアチャンの形見だったらしい。
それっきり俺はジイチャンに怒られた記憶がない。
いつも優しくゴツゴツした手で俺の頭を撫でてくれた。
俺はジイチャンが大好きだった。
中学、高校へ上ると、俺とジイチャンの間に溝が出来た。
会話をする事もなくなり、俺がバイトを始めると生活時間のずれから会う事も少なくなった。
あれから8年、東京で働く俺をジイチャンは毎日心配してくれていたらしいが、俺は電話一本も入れず、6年の間ジイチャンの存在すら忘れかけていた。
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