月あかり?
ジイチャンは籠いっぱいのトウモロコシを持って俺の方へ歩いてきた。優しい笑顔だった。
「家帰って、トウモロコシ茹でて食うべな」
「うん」
何だか泣きそうになった。
ジイチャンに言いたい事イッパイあった。ずっと連絡しないでゴメンとか、もっと優しくしてあげたかったとか、想いがあふれて涙が溢れていた。
ジイチャンはそんな俺を見て、だまって俺の手を引いた。
ゴツゴツして、大きく温かい手。こうしてると子供に戻ったみたいだ。
いや、俺は子供に戻っていた。
家に着くと、オフクロがまだ赤ん坊の弟を抱いて、出てきた。
オヤジは居間で相撲を見ていた。
ジイチャンはニッコリ笑って「トウモロコシ茹でてやるべかな」と台所へ入っていった。
しばらくして茹で揚ったトウモロコシをみんなで食べた。
最高に美味かった。
夕飯前、ジイチャンが俺を呼んだ。「真琴、コレをジイチャンの代りに持っててくれないか?」
渡されたのはバアチャンの形見の指輪だった。
「でもコレ…」
ジイチャンは指輪を見て言った。
「ジイチャンはもう、アッチへ逝かなきゃなんねぇ。この指輪はバアチャンとジイチャンの大切な物。オマエに持ってて欲しいんだ」
何だか遺言みたいでイヤだった。ジイチャンはまだ死んじゃダメなんだ。もっと生きるんだ。
気が付くと俺は高速バスの中。やっぱ夢だったか…。
そう思った瞬間俺は見てしまった。
右手に握られた金の指輪を。
・・・・・・
「家帰って、トウモロコシ茹でて食うべな」
「うん」
何だか泣きそうになった。
ジイチャンに言いたい事イッパイあった。ずっと連絡しないでゴメンとか、もっと優しくしてあげたかったとか、想いがあふれて涙が溢れていた。
ジイチャンはそんな俺を見て、だまって俺の手を引いた。
ゴツゴツして、大きく温かい手。こうしてると子供に戻ったみたいだ。
いや、俺は子供に戻っていた。
家に着くと、オフクロがまだ赤ん坊の弟を抱いて、出てきた。
オヤジは居間で相撲を見ていた。
ジイチャンはニッコリ笑って「トウモロコシ茹でてやるべかな」と台所へ入っていった。
しばらくして茹で揚ったトウモロコシをみんなで食べた。
最高に美味かった。
夕飯前、ジイチャンが俺を呼んだ。「真琴、コレをジイチャンの代りに持っててくれないか?」
渡されたのはバアチャンの形見の指輪だった。
「でもコレ…」
ジイチャンは指輪を見て言った。
「ジイチャンはもう、アッチへ逝かなきゃなんねぇ。この指輪はバアチャンとジイチャンの大切な物。オマエに持ってて欲しいんだ」
何だか遺言みたいでイヤだった。ジイチャンはまだ死んじゃダメなんだ。もっと生きるんだ。
気が付くと俺は高速バスの中。やっぱ夢だったか…。
そう思った瞬間俺は見てしまった。
右手に握られた金の指輪を。
・・・・・・
感想
感想はありません。