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漆黒の翼 44

[552]  龍角  2008-01-26投稿
その頃ジュリアはというと、屋上から下の広場を見下ろしていた。

そして手には異常に銃身の長いマグナムがある。


しかし




マグナムは水飴の様にグニャグニャと形を変えていく。


そして瞬く間に、マグナムはスコープ付きのスナイパーライフルへと変身した。


態勢を低くしてライフルを構える。

狙いは魔獣の脳天。







パァン!!!



放たれた鉛弾は見事に魔獣の脳天を打ち抜き、ドサリと魔獣は倒れた。

それと同時に、龍華、力也、オロマの三人は三方に散らばった。





魔獣達は、高い魔力を秘めた肉を求め、三人に遅いかかる。


そして三人も、魔獣を皆殺しにする為に、獣の様に戦場を駆けた。


ブゥゥゥゥ…


チェーンソーの鈍い音が、響き渡る。


魔獣は自らの空腹を満たす為にオロマへと襲いかかった。


しかし焦点に合わせたはずのオロマは視界から消えて激痛だけが腹を走った。



オロマは襲いかかった魔獣を擦れ違いざまに真っ二つにして、振り向きもせずに次の獲物へと移った。

次の獲物は他の魔獣よりもかなり大きかった。


オロマを捕らえようと左腕が伸びる。




ズシャアァ!!


左腕は綺麗に斬り飛ばされた。


続いて右腕を振るうが、





ズシャアァァ!!!


右同様斬られてポトリと地面に落ちた。


右腕と左腕を無くし、恐怖と、絶対に勝てないという絶望感を感じたのかどうかは知らないが、魔獣が腰を抜かして尻餅を着いた。


そんな魔獣をオロマは

「情けない奴…」

そう言ってチェーンソーを腹に突き刺した。



「ギャアァアァァァ!!」


はらわたを切り刻まれて、魔獣の悲痛の叫びが響き渡る。



そして魔獣達は、一対一で勝てないと悟り、オロマの周りを囲み、一斉に飛び掛かった。



キィィィ……



チェーンソーの刃から高い、頭の痛くなりそうな金属音が放たれた。

空気が歪み、捩じれる様に、オロマの周りの景色が歪んだ。

そして同時に魔獣達の身体もねじ曲げられて、バラバラの肉塊となってしまった。

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