ピンポーン
突然インターホンが家中に鳴り響いた。
こんな遅くに一体誰だ。何時だと思ってるんだ。
｢タマ、ちょっと待ってろよ！｣
イライラしながら俺は玄関に向かいドアを開けた。
するとそこには綾が立っていた。
｢優くん、こんな遅くにゴメンネ…。実はちょっと話があって…。いい？｣
綾の顔は曇っていた。その顔を見ると、見過ごすことはできなかった。
俺は綾を部屋に入れた。
綾が部屋に入った直後、綾がいきなり泣き出した。子供の頃からよく泣いていた綾だったが、こんなに大声で泣き叫ぶ綾は初めて見た。
｢おい、綾、どうしたんだよ！一体｣
綾は泣きながら言った。
｢あのね…、私のね…｣
綾の目にはさらに涙が溢れ、言葉が途切れた。
｢大丈夫か、綾。辛いかもしれないけど言ってみろよ。俺に出来ることなら何でもするからさ！｣
綾が次に言おうとしていることは大体わかった。
｢私の…、彼氏がね…、事故に遭って…｣
予想通りだった。
こんな大声で泣くなんてきっと彼氏の身に何かあったのだろうと思ってはいたが、実際綾の口から告げられると俺も胸が痛くなってきた。綾の泣いた顔を見ていると、まるで自分自身のことのように感じた。
それでも俺は今、綾を支えなければいけない。
男として。

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