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†孤独の中に咲く一輪の薔薇†?

[440]  吉乃森 雪  2006-04-15投稿

『引っ越ししたんだってよ』
『裏切られちゃったねぇ?』

へらへら笑う先輩に、涙が止まらなかった。

いつも見る夢。気がつけば、回りは真っ白。



手から溢れ落ちる、ジグソーパズル。

ただ、そこしか映っていない。


手をさしのべてくれたときの“ゆーま先輩”の笑顔のピース。

集めても集めても、一つになってくれない。

『どうして?』

音はない。

ただ、映像だけがクリアに流れる。

ヒステリーをおこし、白の地に這いつくばったりして。

雨が降ってるな、と思っていたら。
それは自分の涙だったり。

ただ一言。

あの言葉を口に出来なかった。

声に出せば、音にのせれば。


─…黒の次は白?
闇の次は光?

孤独の次は、幸福?


なら、それはエンドレスに続くんだ。

孤独の次が幸福なら。
幸福の次は孤独、でしょ?


ほら、今もこうして俺はまた繰り返してる。

きっと『この夢』の続きなんて、ない。




- - - - -


「…………!」

はっ、と気がつくと、数学の授業中だった。
そうだ、あれから他愛ない会話をして。
数学がはじまって…

ぼーっとして。

ついつい、過去を歩いていた。

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