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『つっちゃんの恋。』7月20日?

[270]  スゥ。  2008-01-27投稿
私の会社の新商品。矯正下着。苦しくないし、有名デザイナーが手がけた下着。その試着会が行われることになって、私はもちろんつっちゃんを誘った。
つっちゃんははっきり言って女の子としては最低だ。朝なんかほとんど髪の毛は手ぐしでおわり、おしゃれしない、化粧もほとんどしていかない、そんなんで電車に乗って通勤しているのかと思うと姉としてすごく嫌だった。
イベントがあれば必ずつっちゃんを誘っていく。つっちゃんは嫌がるけど、その度ごはんを奢ることを条件にして誘うと必ずついてくる。そんなんだから22歳になってもまだ彼氏ができないんだ、つっちゃんは。
下着の試着会は7月20日にあって、会場は早乙女ホテルわ借りて行うことになった。小さな会場だけど、20人以上お客さんが来れば会場費がただになる。そんなこともあって つっちゃんには絶対来てもらわなきゃいけなかった。2週間前から約束して会場「必ず行く」と言わせた。もちろんごはんを奢ることが条件で、車を出すのは私。
「お姉ちゃんが誘ったんだから、お姉ちゃんの車じゃなきゃ行かんでね。」
「わかっとる!うるさいな。今から迎えにいくで、おらんかったら怒るでね!」
乱暴に電話を切った。仕事が終わった時間につっちゃんの仕事場まで迎えに行くことになった私は少し苛つき気味だった。乗り気のないつっちゃんの態度に腹が立っていた。
そのうちつっちゃんが昨日私のヨーグルトを勝手に食べたこととか、お母さんに頼まれたゴミ出しに行かなかったこととか思い出してきて余計にイライラしながらつっちゃんの仕事場に向かった。苛々した私の様子になんとなく気付いたつっちゃんは明るめに私に話し掛け、他愛のない話をしながら、早乙女ホテルの駐車場に車を止めた。
「私に矯正下着が必要あると思う?」
「どんな自信?」
「自信なんか持ってないよ。私も一応ダイエットしとるよ。だけどそこまでして体型なおそうとか思ってないもん。よっぽどの美意識持ってる人じゃないと矯正下着なんて買おうと思わんくない?」
「私はつっちゃんに美意識もってもらおうと思って誘っとるだけどね」
「うーん。」
そこまで美人になりたいと思わないと小さな声でブツブツいいながら試着会会場に向かって歩いた。会場に向かう途中、つっちゃんの携帯が鳴った。私は携帯を開いて立ち止まったつっちゃんに気がつがずに会場へ足を進めた。

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