『行ってらっしゃい』
そうやって笑顔で送り出してくれた
僕はそれから一人知らない街で生活をし君を思い出しては寂しくなったり孤独を感じることも沢山あった
なかなか君の居る街へ帰ることも出来なくて仕事の忙しさから電話の回数も減った
だけど何一つ不満も我が儘も言わずに待っていてくれる
いつでも君に助けられる
感謝の気持ちは言葉では言い表せない
いつか君に『ありがとう』を形にして返したい

本当は寂しいだろう
泣いているかもしれない
本当にごめん
そんな時すぐに駆け付けてあげる距離にいてあげられない
電話越しで感じる少し寂しそうな声
表情が見えない分君の声の変化にも敏感になった
安心して
僕は君だけを見ているから
寂しくて仕方がない時は空に向かって君の名前を叫ぶから
声を枯らして名前を呼ぶから
届くと信じて呼び続けるから

僕も同じ気持ちだよ
寂しいし早く会いたい

別れ際の君を忘れない
あの時君が選んだ最後の言葉
本当に感謝している
もし君が泣きながらさよならなんて言ったら僕は前へ進めなかった
君が行かないでなんて言ったら迷いが生じただろう
『行ってらっしゃい』って愛情に満ちた表情で言ってくれたから背中を押された
僕には帰る場所がある
だから頑張ろう
そう思えた
いつ戻れるかも分からない僕にそう言ってくれた君はどんなに辛くて寂しかっただろう
信じて待っていてくれてありがとう
必ず戻るから待っていて
本当にありがとう

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