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処刑生徒会長第四話・20

[647]  まっかつ  2008-01-30投稿
携帯の電話帳を開き―\r

梅城ケンヤはとある番号に向けてかけた―\r

プルルルルッ

プルルルルッ

プルルルルッ

【はい、Z区立第一中学校生徒会長・太田カツヒロです】

出てきたのは―\r

隣接する同盟校のリーダーだった。

『やあ太田会長―私だ、梅城だ』

【お久しぶりです】

電話の向こうで太田カツヒロは恐縮している様だった。

『今時間は取れるかね?』

【ええ、20分位なら】

太田カツヒロ率いる第一中学校は梅城ケンヤの第三中学校と共にイジメ撲滅路線の旗を掲げている。

『では早速本題に入ろう―太田会長。君の学校のイジメ取り締まりの進展はどうだね?』

違う。

第一中学校は実質は隷属していた。

第三中学校の軍事力の前に。

もっとはっきり言えば梅城ケンヤに―\r

【は、はい。お陰様でずいぶんと減りました】

太田カツヒロは言わば傀儡だ。

彼が何よりも恐れているのは校内有権者ではない。

梅城ケンヤの機嫌だった―\r

『それは結構。君には期待しているよ』

差し当りケンヤの目的は叱責ではないみたいだった。

【あ、有難うございます】

しかし―\r

『だとすると、あれは私の勘違いだったかな』

梅城ケンヤにはより恐るべき真意があったのだ。

【―あれと申しますと?】

『君の所の校内掲示板は見させてもらったよ』

ソファーに深々と座り直して、ゆっくりとケンヤは告げた。

『君の所―第一中学校の女子三人組だ。普段学校のアイドルとして全生徒から絶大な人気を得ている』

【は、はい】

太田カツヒロは冷や汗まみれの声で返事して来た。

『だが悲しいかな―そのアイドルグループが他ならぬ校内最悪のイジメグループなんだって?』

【―そうです】

蚊の様な声で太田カツヒロは認めた。

認めなければ自身の地位が危ない。

『これは処刑に価する―そうではないかね?』

【―そうです】

カツヒロはノーとは言えなかった。

だが、ここからこそ梅城ケンヤの陰謀に満ちた戦争計画の始まりだったのだ!

『その三人組―処刑するのは良いとして、私にやり方を選ばせてはくれないかね?』

太田カツヒロは返事できなかった。

『何、悪い様にはしないさ、君にもね』

知ってか知らずか、ケンヤの声は余裕に満ちていた。

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