ばぁば 六話
真実…。
例えそれが真実でも
私は此処にいる。
夜になって、真っ暗な部屋の中で私は泣き疲れて寝ていた。
祖母の夢を見た。
「ばぁば」
部屋を出て、居間へ行くと、母が目を赤くして祖母の遺骨の前に座っていた。
「何で?」
私は今まで聞けなかった事を聞いた。どうして迎えに来なかったのか。私を捨てたのか。
母は首を横へ振った。
「捨てるなんて…。私は一時も貴方の事忘れた事はなかった。早く迎えに行きたくて、必死に働いたわ。そのうち、理解ある人に出会って、貴方を迎えに行こうって…」
「じゃあ何でよ!!ずっと待ってたのに…」
「母さんが、許してくれなかった。どうせまたあの子を悲しませる事になるって。あの子は私の大切な孫だから悲しませたくないって…
二度とこの家に近寄るなって…」
「ばぁばが…」
私はそんな話を初めて聞いた。ずっと捨てられたと思っていたのに…。
祖母が退院した。
祖母の話しでは、見つかった病気は、たいした病気じゃないから、通院で治すらしい。
退院してからの祖母は、まるで昔に戻った様に、朝から晩まで働いた。
祖母の誕生日に、私はバイトして少しずつ貯めたお金で、赤いカーディガンと茶色いお洒落な手袋をプレゼントした。
祖母は少し涙目になっていたから
「ばぁば、もしかして嬉しくて泣いてんの?」
と言ったら
「どうせなら、赤い手袋が良かったよ!!」
とソッポを向いて、涙を拭いていた。
祖母も泣くんだと私は安心した。だって、いつも無表情で感情のない人形の様だったから…。
〜七話へ続く〜
例えそれが真実でも
私は此処にいる。
夜になって、真っ暗な部屋の中で私は泣き疲れて寝ていた。
祖母の夢を見た。
「ばぁば」
部屋を出て、居間へ行くと、母が目を赤くして祖母の遺骨の前に座っていた。
「何で?」
私は今まで聞けなかった事を聞いた。どうして迎えに来なかったのか。私を捨てたのか。
母は首を横へ振った。
「捨てるなんて…。私は一時も貴方の事忘れた事はなかった。早く迎えに行きたくて、必死に働いたわ。そのうち、理解ある人に出会って、貴方を迎えに行こうって…」
「じゃあ何でよ!!ずっと待ってたのに…」
「母さんが、許してくれなかった。どうせまたあの子を悲しませる事になるって。あの子は私の大切な孫だから悲しませたくないって…
二度とこの家に近寄るなって…」
「ばぁばが…」
私はそんな話を初めて聞いた。ずっと捨てられたと思っていたのに…。
祖母が退院した。
祖母の話しでは、見つかった病気は、たいした病気じゃないから、通院で治すらしい。
退院してからの祖母は、まるで昔に戻った様に、朝から晩まで働いた。
祖母の誕生日に、私はバイトして少しずつ貯めたお金で、赤いカーディガンと茶色いお洒落な手袋をプレゼントした。
祖母は少し涙目になっていたから
「ばぁば、もしかして嬉しくて泣いてんの?」
と言ったら
「どうせなら、赤い手袋が良かったよ!!」
とソッポを向いて、涙を拭いていた。
祖母も泣くんだと私は安心した。だって、いつも無表情で感情のない人形の様だったから…。
〜七話へ続く〜
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